2007年09月28日

煮えたかどうだか食べてみよう

秋風爽やかなこの時期になると、仙台や山形では川原に人々が集い、「芋煮会(イモニカイ)」なるものが催される。
他の地域では余り馴染みが無いかもしれない。
かくいうオレも、余り馴染みが無い。周囲ではみんなが「芋煮会やった」というが、オレは一度も誘ってもらったことが無いのだ。
さて、芋煮会とは一体何の会か。ヤクザの会や政治結社や、町内会や子供会とは似て非なる芋煮会のその正体は。
視覚的には「ホームレスのための炊き出し」に近いものがある。
大きな鍋を火にかけて、その中で煮出された汁を、我も我もと先を争って食べまくるのである。
何を煮ているのかというと、まずはイモ。
イモというのは何のイモでもそうだが、庶民の主食である。芋煮会で使われるイモは、何のイモだか知らないがその辺のイモと理解してくれて構わない。
イモのほかには、大根やゴボウやニンジンなどが入っている。芋煮会を催すような人々にとっては大変なご馳走らしく、ここぞとばかりに大量に入っている。やはりこれすらも先を争って奪い合うようだ。
そして、極めつけは豚の死骸からそぎとった肉片だ。
この肉片が少しだけ入る。
これらを混ぜこぜにして、ミソで味付けをしながらゴブラゴブラと煮続ける。
言うまでも無いが、人々の目当てはこの肉である。
これは奪い合うなんてものじゃない。
普段ろくなモノを食べていないせいか、相手を殴り殺してでも我が物にしようと必死になる。
「肉食わないと死んじゃうからな!」
と誰もが言う。
「肉ばっかり食わせなさいよ!」
と、みんなが叫ぶ。
川原とはいえ、場所は幹線道路沿いだったりするから、排気ガスや粉塵が舞い飛んでいるのだ。そこでプラスチックや発泡スチロールの容器を握り締めた人々が、今や遅しと待ち構え、肉寄こせオーラを立ち上らせている。
3日も食べていないホームレスだって、もっと落ち着いているはずだが、芋煮会に集まった人々は本能むき出し肉汁ジャジャ漏れ脳汁ドーパミン。
「オレは材料費で500円も出したんだからな、肉食わせろ」
「オレは薪を拾い集めたんだからな、肉食わせろ」
「アタシは割り箸提供したのよ、肉食わせろ」
「ボクは育ち盛りの子供なんだ、肉食わせろ」
肉食わせろ肉食わせろ。
お前ら芋煮会なんだから、黙ってイモ食ってりゃいいじゃん。
普段、環境のためとか何とかウルサク言っているヤツラが、割り箸握り締めて肉食わせろの大合唱。
家のそばにゴミ焼却場が出来るとダイオキシンがでるのだと喚いているヤツラが、同じ声の大きさで排気ガスまみれの川原で煙草を吸いながら薪を燃やして肉が煮えるのを待っているいる。
大人が子供を押しのけ、子供が老人を踏みつけて、老人が病人を置き去りにして川原に集い争うのが芋煮会というものである。
当然毎年怪我人や死人が出るのだが、大きな鍋と飢えた民衆のおかげで、証拠は何も残らない。
くどいようだが、オレは今まで一度も参加したことが無いので、芋煮会とは全く無縁である。もし仮に裁判にかけられても、「芋煮会とは一度も接触したことが無い」と胸を張って言える。
だから芋煮会の中心メンバーがナニモノで構成されていて、何の目的を持って活動しているのか全く知らない。
くどいようだが、一度も誘ってもらったことが無いからな。

また週末が来る。
川原が人で埋まる。
芋煮会のあとは、川原に骨やゴミが埋まり、煮汁のカスのせいで広瀬川のBODが上がる。
よその土地から来て、この週末、初めて芋煮会に誘われている人も多かろうと思う。
胸に手を当てて、自分が選ばれた理由を考えてみた方がいい。

注釈)
割り箸は廃材を利用して作られているので、環境破壊には一切関係ありません。
また、ダイオキシンとダイオキシン類は別とのことです。
この文章は以上二点を斟酌しないで書きました。
posted by 肉王 at 18:44| Comment(7) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月25日

くよくよと

2年位前に患った四十肩。
一年くらいかかって治った筈だったのに、ふとしたことから再発。
あの頃のオレと違って、現在只今本物の40歳だから、これぞまさに真の四十肩と相成った次第。
様々含めて、オレはもう駄目だと思う。
この人生は駄目だ。駄目な人生だった。
15年位前から、何となく感じていたけれど、やっぱり駄目な人生だった。しかし、やり直そうにもやり直せないのが人生だから、駄目ながらも最後までやるしかないのだろう。なんとめんどくさいことか。
それにしても、あの人やあっちの人なども、オレの目から見ると駄目な人生なのだが、彼らは何故平気で生きているのだろうか。それが不思議だ。
彼らはきっと、四十肩になったことがないのだろう。
せいぜいヒゲがムサいくらいにしか思っていないのだろう。
posted by 肉王 at 03:09| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月20日

魂は残った

第24回古本競売会議

日時:2007年9月17日(月) 午後9時31分
場所:仙台市若林区上飯田「JAILHOUSE BOOK やおいの間」
出席者:ヒゲ(元古本屋) JAILHOUSE BOOK店長
議題:ビッグコミックスピリッツは何故売れなかったのか

店長:えー、それでは今回の議題につきまして議論をする前に、メールで頂いた幾つかの質問に、ヒゲのほうから答えてみようかと思います。
ヒゲ:なんじゃ、その質問たらいうのんは?
店長:スピリッツの商品説明欄にメールアドレスを書いておいたら、そこから幾つか質問が来たんですよ。
ヒゲ:メンド臭いヤツラが多い世の中になったもんじゃのう。
店長:えーまず、「一冊だけ売ってもらえませんか」です。
ヒゲ:どアホゥめ。ワシの青春がバラで売れるもんか。
店長:次は、「500円で即決をしてください(大至急)」
ヒゲ:カーッペ!(唾を吐く)次!
店長:次で最後です「ヒゲが頭に巻いているタオルの下はどうなっていますか」
ヒゲ:・・・
店長:これは私が答えます。タオルの下は脳みそがむき出しになっています。
ヒゲ:不用意に外気にあてたりするとバイキンが入ってウララーになる危険があるんや。一番怖いのはハエやな。ピタッとでも止まられたらもう、コロッといくで。
店長:というわけで、売れ残ってしまったスピリッツですが、このまま無為に2周3周と放置していてもいいんでしょうか。
ヒゲ:ええのんじゃ。きっと来週は100万円で落ちるさかいな。
店長:まだそんな夢みたいなこと言ってんのかこのヒゲは。
ヒゲ:そもそも出品の仕方が悪いせいで売れ残ったんじゃ。再出品かけたってお前が出し続ける限り結果は同じじゃボケ。
店長:ほほぅ、いきなり激昂してますね。そもそも、商品に魅力がなかったとは考えませんかね?
ヒゲ:ワ・ワシの、ワシの青春やぞアホンダラ。
店長:むさいオッサンの青春なんて、誰も興味ないっつーの。
ヒゲ:こ・子供がランドセル待っとるんや。赤いランドセル待っとるんや。
店長:だから、子供のランドセルのために、もっと何かいい方法を考えないと駄目じゃんってー話をしとるんだろが。
ヒゲ:まず、835冊一括の線は譲れんな。
店長:私だってバラで出品なんかしたく無いしね。
ヒゲ:届けに行くってのは、やめたほうがいいかも知れん。
店長:それは言われましたよ。結構な迷惑だそうです。知らないヤツが来るのもイヤだし、待ってなきゃいけないのもイヤだと。
ヒゲ:ほなら、宅急便で送ればええのんや。
店長:そもそも、こんな莫大な量を保管する場所の問題があるんじゃないのかと思いますよ。普通に考えて、20万の金額が高いか安いかの問題はあまり関係無さそうです。だって、現実的に払えない金額じゃないでしょう。
ヒゲ:ほうじゃ。最初から貧乏人は相手にしとらんのじゃ。
店長:とはいえ、金持ちが興味を示すような本でも無い。
ヒゲ:何を言うとんじゃ。世の中には二束三文の掛け軸を家宝にしてたり、5千円のツボを500万で買うたりしとるアホがぎょうさんおるやんけ。
店長:それはテレビの鑑定番組の話でしょうが。
ヒゲ:いやいやいや、そうやないで。つまり、値打ちのありそうなもんや、将来値が跳ね上がりそうなもんを欲しがるヤツラはまだまだおるっちゅーことや。そういうヤツラを騙して・・・。
店長:騙さなくてもいい方法を考えるところから始めませんか。
ヒゲ:そうやないで。世の中そんなに甘いもんとちゃうで。いかに他人を騙してゼゼコを巻き上げるかやで。
店長:あんたはそれをやりすぎて店を失くしたんじゃないですか。
ヒゲ:な、ななな・・・貴様、言うてはならんことをサラッと言いよったな。このド貧民めが!そうやってお前は人の心に平気で毒を放り込みよるから、友達も女もでけへんのじゃ。
店長:なんだとこのゲロヒゲ!前々から言ってやろうと思ってたけど、あんたのヒゲからは死んだロバのヒヅメのにおいがするんだよ!
ヒゲ:うっさいわ!ゴミ本屋!たまには一日五千円売ってみろ
店長:余計なお世話じゃ。脳みそむき出しの坂山玄馬(*)みたいな生き方しやがって。
ヒゲ:オラー!表に出んかい!拳で解決じゃ。
店長:脳みそ一撃じゃボケ!
ヒゲ:その前にヒゲのにおいでイチコロじゃボケ!
店長:ウワップ!く、臭い!スピリッツの創刊号の臭いがする!

協議の結果、スピリッツ835冊は焚書と決定しました(というよりも、単なる焼却処分)。

cnt04.jpg

文註・坂山玄馬=いがらしみきお「ネ暗トピア」に出てくる脳みそむき出しキャラ
posted by 肉王 at 01:48| Comment(2) | 「魂を売る」シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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