2011年05月15日

正しい箸の使い道

やあどうも。

性癖を持っていますか。
ああ、別に詰め寄っているつもりはありません。タンポポの綿毛が風に舞う程度の軽い気持ちで、人様に語って聞かせるほどの性癖を持っていますか、と聞いているのです。
もちろん、他人にゲロできるほどの性癖では大したものではない、という意見もあるでしょう。
そういう時にキミタチはすぐに鬼の首でも取ったかのように声を荒げますからね。そうなるとオレだって少しは腰が引けますよ。性癖の話をする前に、硬く握り締めた拳で格付けをしてからか、なんてことはゴメンですからね。
とは言えこちらだって、そう簡単に引き下がるつもりは無いんだよね。
まあいいから、少しは落ち着いて人の話を聞きなさい。そもそも、「持っていますか」と言いながらも、実はキミタチの忌憚無き意見なんか聞く耳は無いんだから。

まあ、先だってオレと知人とで、互いの性癖をゲロしあう、という半ばデスマッチ的な機会があったわけです。
「お前は変態だよ」
「貴様は何も分っていない」
「真のエロスとは」
「そういうことはポコチンをしまってから言え」
「お前のDVDコレクションは人類の恥の集大成だ」
どちらがとも無く互いの人間性を完膚なきまでに叩き潰そうとする、臓腑をえぐってウンコをなすり付けるような言葉の応酬の結果、とりあえず傷つけあうのはやめにしよう、まずは手を握るところから始めよう、クソ野郎って言うとクソ野郎って言う死んじまえって言うと死んじまえって言う穴から出るなって言うと来世に生まれ変わってくるなって言う、ちょっと待てそこまで言うのか、まあまあ手を握ろう、クソの付いた手をな、というところに落ち着いたわけです。
お互いに6発ずつ殴り合って、血まみれの顔面を拭き拭き、共通項として遡上に上げたのは、コスチューム問題でしたよ。
「有りなのか、否か」
「有ってしかるべき」
「むしろ無いと困る」
だがしかし、ごく普通の生活を送る上で、妻や恋人に要求できる類のものではありません。迂闊に要求してしまって、その後に役所や警察が介入するような展開に持ち込まれてはたまらないからです。
正直言ってしまうと、男は妻や恋人に自分の思いや趣味趣向などの本音はゲロしたくないものです。もっと言えば、そこに関しては女というものを全く信用していません。いや、地雷を踏んだつもりで言わしてもらえば、全てに関して信用していやしません。
あまり大きな地雷ではなかったようなので、もう少し踏み込んで言ってしまうと、自分の本当の性癖を知っていて欲しいのは、妻や恋人ではない女性だったりします。逆に言えば、「私は彼の性癖の全てを知っている」という場合、あなたは彼氏との関係を見直す必要があるということでしょうか。
まあ、そんなことはどうでもいいのです。そういうことは弁護士とでも相談していればいいような瑣末な問題であり、ここでは汲み取り便所の落とし紙以下の問題ですよ。
問題は、コスチュームなのです。
「OL、セーラー服、ナース、キャビンアテンダントなどが一般的だが」
「現代日本においては、和服も最早コスチュームの範囲に」
「嘆かわしい」
「嘆かわしい」
「アニメや漫画のキャラクターはどうか」
「エヴァやガンダムのような特徴的なものか」
「もしくは、スターウルフ、サミアどん、プリンプリン物語など」
「えー。それはちょっと・・・」
基本的には、実生活にある程度の密着性があり、かつてすれ違う程度にでも接触があったほうがいい、ということになりました。
そうすることによって、気持ちが学生時代、サラリーマン時代、隔離病棟時代に立ち返ることが出来、当時の妄想や劣情を擬似的にでも解消可能なのですよ。

ところで、コスチュームに於けるエロスとは、一体どこに存在するのでしょうか。
衣装なのか、あるいはそれをまとう人物なのでしょうか。
コスチュームプレイを好む場合、本番行為に及んだとしても、全裸になられては愚息もションボリなのはいうまでもありません。出来れば一枚たりとも衣装を脱いで欲しくはありません。では、衣装だけあればよいので、中身の肉体は不要なのかというとそうではないのです。

「この衣装をまとっているのは裸の女である」
という事実は疎かに出来ない要件であることは間違いありません。
しかしだからといって、裸の女であることだけが重要ではないのです。

「裸にされては困る女が衣装をまとっている」
という感覚に近いかもしれません。
しかしそれだと、裸にされては困るくせに、裸にされてもおかしくない衣装をまとっているという、あってはならない事実が明るみに出てしまうし、そもそも裸にされても困らない女というのは、あまりその辺をウロウロしてないようです。

「裸にされることなど想像もしないで衣装をまとっている」
というのがかなり近いでしょうか。
だがこれだと、かなり油断が入っていて、コスチュームをまとっているというよりは、中学時代のジャージを未だにパジャマとして使用しているような生活臭が漂ってしまうし、どうかすると下着は3日目だったりします。

「裸になることを断固拒否する意思で衣装をまとっている」
多分、この辺が正答なのではないかと思います。
結果がどこへ帰着するにせよ、ここからスタートすることが最も望ましいのではないでしょうか。いや、むしろお約束の結果へ辿り着くためにも、最も望ましいのかもしれません。

「で、キミはなんのコスチュームを好むのかね」
「俺は・・・俺はテニスウェアが・・・」
「あー、なるほどなるほど。言われてみればそういうのもアレだな」
「そういうお前は何なんだ」
「オレ?オレは特に何でもアリ」
掘り下げればいくらでも出てくるし、何の衣装であってもそれなりにドラマを作ることが出来るからです。
「テニスウェア」という恥ずかしい嗜好をゲロった彼にそのきっかけを問うと、中学生時代にテニス部に所属していて、そのときの先輩に恋心を抱いていたせいだろうという、とても薄っぺらい分析を披露してくれました。
薄っぺらいとは言っても、多くの男の性癖なんてその辺に理由が転がっているもので、大概は心の中に長い間わだかまっている初恋や恋心が発酵熟成してしまった結果、自分でも分らないうちにおかしな形や味になってしまっているからのようです。

「もうお父さんもお母さんもボクのことなんか忘れているんだ」
「コーキ君、そんなこと無いわよ。そんなこと言っちゃダメ」
「でも、もうとっくに病気は治っているのに、全然迎えに来てくれないじゃないか」
「せっかく3年も待ったんだもの、あと1年くらい待ってみましょう」
「ボクはもうイヤなんだ。苦い薬も痛い検査も!毎晩ベッドの周りを歩き回る四つ目のインド人の足音も!ヤツラはボクの脳みそを取り出してブヨブヨの餅を詰め込もうとするんだ!」
「コーキ君、落ち着いて。お薬飲もうね」
「イヤだイヤだー!離せー!ウンコの練り薬なんか飲みたくないよー!」
「じゃあ、お注射うってもらうほうがいい?」
「ラッキョウ漬けの出し汁の注射なんか嫌いだー」
というように、その時の看護婦さんに抱いた淡い恋心が、後のナース服志向になったりするものなのです。

そうして、いざコスチュームを使ったプレイに挑む時、男はその相手に初恋の相手などを想定していたりします。
先に、自分の妻や恋人には要求しづらいプレイだと書いたのは、実はそのような裏事情があるから、というのも確実にあります。だって、その時は相手が妻にも恋人にも見えていませんからね。そりゃあ結構な問題ですし、罪悪感もありますよ。
男の場合、プレイにおいては脳(主に想像力)を使うのがとても楽しいのですね。しかしながら、妻や恋人とのプレイの場合、脳を使うことはあまりできません。それはお互いの間にある信頼関係とか、しがらみが邪魔をするからです。そうなると脳はどんどん醒めてきて、「ああ、オレの妻はブスだなあ」とか「コイツの鼻は随分平べったいな」とか「小錦はもうK-1でないのかなあ」などという事を考えたりし始めます。別に悪気があるわけではないのですが、そうなってしまうのです。
だからプレイを楽しむ場合、その相手はできれば他所の人がいい、というわけなのです。
特に初恋やその類に痛恨の念を抱いているタイプの男においては(ほとんどがそうだとも言える)、なおの事その傾向が強いはずです。
まあ、オレのように生まれたときからモテモテの男の場合は、別ですがね。
初恋?そんなもの無いし。
性癖?なんでもありだし。
え?食糞?・・・それはちょっと・・・。いやいやいや、それはダメダメ。やめなさい!スプーンで食べるなんて非常識だろ。箸で食べるの、箸で。
posted by 肉王 at 03:13| Comment(8) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月08日

基礎は大事だが、基礎だけ残して無くなるという光景をオレたちは見てしまった。

やあどうも。

被災者のふりをして、あちこちからかき集めた30個余りもの煙草がとうとう切れましたよ。
これからは自分で買わなくちゃいけません。
誰かが、これを機会に禁煙したらいいなどと言っていましたが、命スレスレの震災に遇ってなおやめなかった煙草を、一体他のどんな理由でやめられると言うのだろうか。え?おい?どうなんだシャチョー!(ここから文体がにわかに変わります)
と、格好つけていたら、先日思いも寄らない方向から我が喫煙人生に暗雲が立ち込めてきた。
「父ちゃん、あの煙、なんだろう」
「ああ、あれは煙じゃない。いい加減な言葉を吐いた男のツケが立ち上っているんだよ」
実は3ヶ月ばかり前に、近所の小学生と馬鹿馬鹿しい約束をしてしまった。
この小学生はその時6年生。名前は来夏(らいか)。来夏とはもう、7年ほどの付き合いになるのかな。来夏はオレの好きなタイプの馬鹿ガキである。彼の名誉のために、どれだけの馬鹿なのかは書かないけれど、まあいい味の馬鹿であることは馬鹿の先輩であるオレが補償する。
その来夏が、オレに「煙草をやめればいいのに」と言ってきた。
「なんだ、馬鹿のクセにオレに注文つけんなよ」
「わざわざ金払って毒を吸ってる馬鹿オヤジのクセに」
「まあ、そうだけどさ。でも馬鹿が健康で長生きしたってしょうがないだろ」
「ボクは馬鹿でも健康で長生きしたいね」
「健康で長生きしたかったら馬鹿は治さなきゃ、誰も褒めてくれないよ」
「ボクはおっちゃんが思ってるほど馬鹿じゃないかもしれないね」
「そうか?馬鹿だろ。馬鹿ほど自分は結構賢いと思ってるもんだろ」
「馬鹿か利口かなんて、どうやって分るのさ」
「馬鹿のお前に分りやすく言うと、馬鹿はテストで100点とらねえ」
「じゃあ、100点取ったらどうする」
「小学校のテストで100点取ったって珍しかねえよ。中学に上がってから取ってみろよ」
「じゃあ、中学のテストで100点取ったらどうする」
「中学の数学のテストで100点取ったら、お前の目の前で煙草全部丸めて捨てて、以後一切煙草と縁を切ってもいいな」
「絶対に?」
「絶対だよ」
と、安易な約束をしてしまったわけだ。
そしてこの4月、来夏は奇跡的に中学生になった。
どんな馬鹿でも、馬鹿以外問題がなければ中学生にしてしまうとは、文部科学省もどうかしている。その証拠に、あの馬鹿は「震災のせいで、授業が全然進まない」といっては、オレの店に来て漫画の立ち読みをしている。
まあ、並みの中学生相手ならば、気の毒に、と思わないでもないが、来夏相手ではそうは思わない。このまま馬鹿一直線で行ってくれれば、オレは死ぬまで煙草が吸える。ワハハ、来夏よまっしぐらに、そのままわき目を振らずにまっしぐらに馬鹿街道を歩みナサイ。
と思っていたのに、あのガキ、こともあろうに学習塾になんか通い始めた。
「よせよせ、馬鹿なんだから。馬鹿ばっかり集まってる塾で、誰が一番馬鹿か競争したって無駄じゃんか」
「でもさあ、数学って結構面白いよ」
「なん・・・だと・・・」
カバンからテキストを出させて見てみると、ヤバイ、この馬鹿は基礎を理解していやがる。
ならぬならぬならぬのじゃ!基礎を理解してはならんのじゃーーい!
「ばっかやろう、お前、もっとゲームとか漫画で時間を無駄に使えよ。もっとゆとり教育らしくさぁ、こう、集中力を切らしながら生きろよ。給食を手で喰ったり、授業中に奇声を発したり、風景画を真紫に塗り潰したりしろよ」
悪い芽は早めに潰しておかないと、すぐに増長するからな。
「まあ、ボクにはおっちゃんほど馬鹿の才能が無いみたいだね」
「悲観するなよぉ。諦めるなよぉ。あとな、人間にとって一番大切なのは優しさだぞ。たとえば、『あ、オレ100点取れそう』と思ってもだ、最後の一問をわざと間違えるくらいのな」
「そういうお涙頂戴の優しさは大人になってから考える」

というわけで、今、非常にまずい立場に置かれている。
時々、塾の前に寄った来夏に嘘の時間を教えて遅刻させたり、自転車のタイヤの空気を抜いたりという地道な努力を重ねている。
いよいよとなったら、ユッケを山盛り食べさせようと思っている。
posted by 肉王 at 03:09| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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